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準*ミハ 「かわいい人。」

僕を幸せにするのは、いつだって君なんだ。


「かわいい人。」


うわ…でかい口。
高瀬準太は好物の肉まんを両手でがつがつ食っている隣人に呆れにも似た視線をやる。
年下の隣人は先ほど近くのコンビニでショーケースに並んだ全種類を買い込むと、早く食べたいとばかりにこの公園のベンチまで走りだした。
自分は暖かい缶コーヒーを買ったが、こいつ――三橋は一切飲み物を買ってなかった。
あんなに食って飲み物なしでのど詰らないのか…そう思った瞬間、案の定苦しげな咳が聞こえてきた。
「おい、大丈夫か」
「…んっ…は、はい」
「焦らなくいいから、これ飲め」
「あ、ありがとう…ございます」
準さん、と正面から瞳を合わせてお礼をいう三橋になんだか胸の奥がじーんとなる。
夏の初戦後に再会した彼は酷くビクついていて、瞳以前に顔すらこちらを向かなかった。
その姿がマウンド上とあまりに違っていて、誰も知らないこいつの色んな姿を知りたくなった。
ちょっとしたキッカケだった、あの時の俺は予想もしていなかっただろう。

――初戦負けした対戦投手と付き合うなんて。

「準さん?」
「ああ、悪い。ちょっと考え事してた」
「考え事、ですか」
「…三橋のことだよ」
「え」
「三橋と偶然会って、メールしたり、休みに会うようになって――告白して付き合い始めた。
 きっと、どれが欠けてもダメだった…俺がお前たちのチームに負けたこともきっと」

今こうして三橋の隣にいるためのひとつだった。

「…ハハ、んなガラじゃねーか」
「わっ、わかり…ます!お、俺も似たこと思ったこと、あったから!」
準太が思い耽っている短時間に三橋はあの大量にあった肉まんを完食してしまったらしい。
ゴクリ、と与えた缶コーヒーを飲みほすと興奮したように返事が返ってきた。
「マジで」
「はい。だって準さん俺たちに勝ってたら、俺のことすぐ忘れちゃった…でしょ?」
「普通ならな」
「あれ、違うんですか」
「だってお前強烈だったし。試合中にあんなに爆笑したの初めてだし」
「おれ、おか…」
「可笑しいわけじゃなくて、なんかツボにハマった」
「ツボ…」
「そう。だから俺、お前といる時よく笑ってるだろ」
「…俺の顔が面白いから、でしょっ!」
拗ねる様に横を向いた三橋に、準太は内心喜びを隠せない。
本来の三橋は感情豊かだ、暗い中学時代がそれを曇らせていたのだろうが。
自分の前では全て晒してほしいと思う、今みたいに素直に色んな姿を見せてほしい。

もっと、もっと……三橋のことが知りたい。
俺のことも知ってほしい、三橋のことが大好きで仕方ない俺のすべてを。

「…幸せ、だからだよ」
「え」
「笑ってる理由。三橋と一緒にいると楽しくて、いつも幸せ感じてんの」
「し、幸せ…俺と、いると?」
「――好きな子といるんだから、当然だろ」
「…っ…準さんっ!!」
「わっ、み、三橋、どう…」
突進するように抱きついてきた三橋を動揺しながら受け止めると、子犬のように頬擦りしてくる。
うわ…天然ってこえー。ってかマジ可愛いんだけど、こいつ。
「お、俺も幸せ、ですっ!ずっと準さんと一緒にいたいって…か、帰り道別れる時はいつも胸がギュって苦しくなる…でもそれは、ムリだって分かってるし…わが…我が儘だし。でもその分だけ…」

もっと準さんのこと好きになる、昨日より今日、今日より明日。もっと、もっと。

「…どうしよう…俺、そのうち、パンクしちゃうかもしれない。じゅ…準さん?」
三橋を腕の中に囲い、なんとか顔を隠す――絶対赤い、しかもヤバい目が潤んできた。
どうしよう、はこっちのセリフだよ、三橋。
俺こそどうしよう…こんなに幸せでいいのかな、夢じゃないよな、今、スゲー怖い。
そうか幸せすぎると怖いってこんな感じなんだ、生まれて初めて知った。
手に入ったモノが大きければ大きいほど、失った時の反動もデカイ。
もしものとき、俺は正気じゃいられなくなるだろう――三橋を傷つけるかも、しれない。
でも――。

俺は三橋の傍にいたい、過去・現在含めて未来に続く道を。

一緒に歩いていきたい。

「三橋、パンクしそうになったらすぐ連絡しろよ。すぐ会いに行くから」
「は、はい!」
「まだ時間、大丈夫?」
「あ…そ…その、え…と」
「ダメか?」
「ち、違うんです!その、今日は親に…泊まってくるって、もう言って…あって」
「…え」
「だ、だって、あ…明日は準さんの誕生日…だから」
「……三橋」
「ぅう…め、迷惑です、か?」
「ちげーよ!嬉しいんだよ」
心臓バクバクだし、と三橋の手を誘導するとほんとだ、と無邪気に喜んでやがる。
誰もいない公園でよかった、さっきからずっと抱き合ってるんだぜ俺達。
ここは西浦と桐青の間にある地区だ、お互い知り合いがいないからこそ大胆にもなる。
それにしても今日は三橋のペースにすっかり巻き込まれ、なんとなく悔しかったので反撃とばかりに一言。
「プレゼントは三橋がいい」
「え」
「ダメか?」
意地の悪い問いだ。しかし相手は三橋だ、きっと言葉の意味を理解できないだろう。
馬鹿にしているのではなく、そういうことには無知な気がするからだ。
だから不思議そうな三橋に『なんでもない、明日までずっと一緒に過ごそうな』と返そうと思っていたのだ――が。
「おれ、前から準さんのものですよ」
「へ…?」
「準さんが俺のこと好きって言ってくれた日から、俺は準さんのもの…だから」
「………」
一時停止してしまった準太を三橋の大きな瞳が心配げに窺う――と。
「っ……帰るぞ」
「じゅ、準さん?」
腕の中から三橋を離すと、ベンチから腰をあげひとり歩きだしてしまう。
俺なにか嫌なこと言ったのか、と顔色悪くそのままベンチに座っている三橋を振り返って。
赤みが治まった顔で笑いかけながら、手を差し出す。
「何か食ってから、俺ん家、帰ろうぜ」
「は、はい」
尻尾を振るように嬉しそうに準太に駆け寄り、三橋は見かけに寄らず結構な力で握ってくる。
準太も負けじと握り合って、拮抗して赤くなったとこでお互い止めた。なんてことない事で笑いあって。
そんなことが自然とできる確かな絆が二人にはできた。

これからもその絆を大きく深く育んでいきたい――こいつと二人で。

「三橋」
「な、ん……っ!?」
「今日、まだしてなかったから」
「じゅ準さんっ!」
「家に帰ったら、もっといっぱい…しよう、な?」
「……はい」

ゆでタコみたいに真っ赤になった、かわいい君に。

笑いながら、もう一度キスをした――。


END
2月2日、高瀬*準太くんhappybirthday❤
遊びに伺ったサイトで知ったなんて…マジ、すんません準さん<(_ _)>
準*ミハは出会いとか告白など色々考えてますので、これからも更新がんばります。
それにしても準さんはいい男ですね、8巻の彼はバイブル♪でございます!(うふ)

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