FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

WD企画 ハ*ルミハ 「Cookie」

今はまだ、この陽だまりの様な関係で。


「Cookie」


電車待ちの駅のベンチにて。


「―…おい、廉、聞いてるか?」
「…あぅ。ごめんなさい」
「さっきから意識飛んでない、大丈夫か?」
「は、はい。あの、い、いいる…」
「イルカのショーか。すげー迫力だったな」
「で、す、す…くか、かか…」
「すごく可愛かった、と」

伝わったことが嬉しかったのか、廉はブンブン首を振っている。
そんな何気ない仕草が酷く胸にクリーンヒット。
廉にベタ惚れなことを改めて実感してしまう瞬間だ。
部活のない休日に県外の水族館まで誘ったのは、純粋に廉と楽しみたかったのと他に―…。

渡したいものがあったからだ。

「廉」
「はい………え」
「やる」
「え………俺に?」
「廉だけに」
「なんで…」
「―…『友チョコ』のお返し」
「あっ!…もしかして、ホワイトデーの」
「そーいうこと」

いかにもなラッピングをされたソレを見つめる廉を冷静ぶって窺う。
先月の今日――つまりバレンタインデーに廉からチョコレートを貰った。
真っ赤に頬を染め、恥ずかしそうに話す仕草に「まさか廉も!?」と期待した榛名を。
『友チョコ』という言葉がバッサリと切り裂いた。笑えないオチだった。
――今までで一番ありえないバレンタインだったといってもいい。
それでもせっかく廉がくれたバレンタインの(友)チョコだ、即日開封・完食した。
悩んだお返しも廉が『友チョコ』と思ってるのを考慮して安めにしたのだ。
あまりに気合いを入れると…どうだろうーと自分で思ったので。

「開けてもいいですか?」
「ああ」
「わっ…缶クッキーだぁ!」
「廉も好きか?」
「はい、小さい頃からずっと大好きです!…榛名さんも?」
「俺も、よく食う。このメーカーが一番好き」
「お、俺も!ここの一番好きです!」
「…そっか、ならよかった」
「ありがとうございます、榛名さんっ!」

そのハイテンションのまま「榛名さんが一番大好き」とか言ってくれないかな。
早口言葉とか「そのクッキー好きか」「好きです」10回繰り返して、「じゃ俺は」「好きです」みたいな。
―…わぁ…自分で言ってて虚しくなった。
大体俺、そんなキャラじゃねーし。廉だって流石にそこまで抜けてないだろう。
横目で廉を見遣れば、ハムスターみたくクッキーを貪り食ってる。
隙間なく詰められてた缶クッキーの空席が目立ち始めたころ、廉と視線が合った。

「どうした、廉」
「はいコレ」
「……へ」
「チョコチップクッキー、榛名さん好きって、前」
「……あ」

先週あたり放課後に廉と喫茶店に入って、コーヒーに付いてきたクッキー。
確かにそんなこと言った、言ったけど…何気なく呟いたソレを…。

覚えててくれたのか。

「榛名さん?」

いや、きっと。

「…何でもない。サンキュ」
「他にも何か…」
「いいよ、廉が食べな」
「でも」
「―…じゃ、俺が食わしてやるよ」
「え……んぐっ……は、はる、さ」
「俺があげたやつなんだから、いいしょ。ほら、口開けて」
「ま、ままだ、口の中入って……ん」
「いいから食え」

駅構内の公衆がチラチラ見守る中、榛名と三橋の攻防は目的の電車到着まで続いた。
やっと乗れた電車の中、眠る榛名の耳元で三橋が囁いたことを深い眠りにいた榛名は知らない。


榛名さんが、一番好きです


――きっと、そんな風に優しいお前だからこそ。俺はお前を好きになったんだ。


END

なんとか間に合いました、1000HIT記念かつWD企画。
皆さんの投票で激しい3位争いを勝ち取ったハ*ルミハでございます!
両片思いって好きです、すごーく焦れったいですけど(笑)
うちのハルミハはまだまだ青くて清い?感じでいきたいと思います。
次は・・・イズミハかな。

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。