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アベ*ミハ 「HAPPY」

今、大好きな野球ができて。

同じ目標をもったチームメイトと一緒に楽しく練習ができて。

君とこうやって過ごせることが、すごく・・・。



「 H A P P Y 」



昼休みはいつも短く感じる。
ご飯を食べて、その合い間に他愛もない話しをしたり、余裕がある時は貴重な睡眠タイムとなる。
それは夏の大会を控えた野球部も同じである。
もちろん1-9組の四人組もいつも通り、各々まったりと過ごしていたのだが・・・。
最近どうも様子が違うようで。

それは昼休み終了10分前のこと。

あ、15回。最高記録更新。
ズズっとコーヒー牛乳を飲み終わった泉は、紙パックのそれを分解しながら正面を見遣った。
角材でのバランス練習を終えたエース・三橋はさっきから挙動不審だ。
挙動不審はいつものことだが、今回はその行為の理由を知っているだけになんだか複雑だ。
分解を終えたパックを大き目のビニール袋に入れ、机に散らばったゴミも片付ける。
頼れる4番の田島様はすでに半眠り状態なので、世話係としては静かで結構なことだ。

「サンキュ、泉」
「おー」
「泉ついでにこれも・・・」
「めんどい、自分でやれば」
「・・・なんか俺だけ扱い悪くない?」
「気のせいでしょ」
「ったく、可愛かった泉はどこに・・・」
「なんか言った?」
「いや、そ、そう。三橋、今日いつも以上にキョドってるじゃん」

何かあるの、と問う浜田に悪気はないのだろうが、タイミングの悪さにため息。
どうやら浜田は応援団の用事などであのことを知らなかったようだ。
三橋は案の定口をパクパクさせるのみで、言葉が出てこない。
助け舟出してやれるのは、いい人・栄口や世話焼きキャプテンがいない今、俺の役目なんだろう。

「え・・・と。あ、の」
「あー浜田、それは」


その時だった。


「三橋」


定刻どおり後ろドアからやってきた副主将・阿部の呼び声。
三橋は待ち人来る、とばかりに俺たちにごめんと一言、走っていってしまう。
あんなに慌てなくても阿部は逃げないぞ、と泉は心の中で呟く。
もちろんすでに二人の世界を繰り広げてるあいつらに届くはずもないが。
隣でなにどういうこと、ムカつくほど無邪気に聞く浜田に俺は再びため息をつくのだった・・・。






パチンっといつものように手を合わせる。
野球部のメンバーには「お手」と称されたが、二人にとっては大事なバロメータ。
何回かやってるうちに、やらないとかえって落ち着かないほどになってしまった。

「メシいっぱい食ったか」
「うん、お、お弁当とパン、食べた」
「お前いつも急いで食べてるだろ。喉に詰らせるなよ、茶も一緒に飲めよ」
「うん、気をつける、よ」
「今日自転車か」
「うん、そうだよ」
「なら・・・」
「うん、今日も一緒に帰ろうね」
「ああ・・・おい、さっきまで寝てたな」

ココ寝癖になってる、と耳あたりのはねた髪を撫でられる。
ちがう、それは癖っ毛だから、だよ。そういえばすっと手を離されてしまう。
だから言えない・・・言わない。指先から伝わる柔らかさを甘受する。
中学時代のズルさがまだ残っているんだと思う。
阿部くんがくれる優しさをもっと受け取りたい気持ちと、阿部くんに嫌われたくない気持ち。
両方の気持ちがどんどん膨れ上がって、そのうち身動き取れなくなりそう。
これ以上大きくなったら俺どうなってしまうんだろう、不安が募る。
だけど消したくないとも思うんだ、だって。

「じゃ、教室に戻るな」
「う、うん」
「居眠りすんなよ」
「だ、大丈夫、だよ」
「本当か?」
「うぅ・・・」
「ったく。やるならバレないようにな」
「ぇ・・・あっ」

正論を返され俯いていた顔を上げると、阿部くんの整った顔が目の前にあって。
ゴツンと額と額をくっつけられ、互いの吐息すら感じる距離に慄いてしまう。

「次古典だろ。教科書ちゃんとみてれば当てられねーよ」
「あ、うん」
「授業終わったら、迎えに来るから待ってて」
「わ、わかった、よ」

俺の返事を聞き、目を細めた阿部くんはじゃあな、と最後に頭を撫で去っていった。
まっすぐ1-7組へ入っていったその背を見送った時、授業開始のチャイム。
もっと余韻に浸っていたかったが、授業準備をするため歩き出す。
今日は寝ないでちゃんと教科書を見よう、と思いながら。





「・・・なぁ、泉」
「言いたいことは大体わかるけど、俺に振らないで」
「いやしかし、三橋って」

「恋する乙女みたいだよなっ!」

「「・・・・・・・」」

今まで眠っていたとばかり思っていた田島のあまりに的確で認めて良いのか悩む意見に。
反論も同意もできない、なんとも複雑な心境のチームメイトと応援団団長であった。





だって、幸せなんだ。
チームメイト・バッテリー・友達、どう表現したらいいかわからないけど。
阿部くんといると暖かくなれるから。
だから今はこのまま、君と過ごしていきたい。
願わくはこの幸せが長く続きますように。

END

アベミハ的1-9組の日常でした、ちょっとだけハマイズ要素ありです(好きだから)
この二人はじれったいタイプの両片想いですね、きっと。
阿部は寝癖じゃないと知っています、確信犯(笑)でもこれかなりラブラブですね。
額ゴツンは阿部くん無意識です。あとで気づいて赤くなりそう(ムッツリだから)
これからも初々しいアベミハを愛でていきたいと思います!
08/01/25
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