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大好き・キス記念日 Ⅰ

「大好き・キス記念日(R❤18)」





いつもの放課後…だったはず。



「で、大丈夫なのか?宿題」
「うぅ」
「…数学と英語か、英語は自分で頑張れよ」
「う…はい」
「数学は教えてやっから」
「っ、あ、ありが…と」
「おー。場所どうすっかな、俺んちは客いて無理だし」
「お、おっ…俺んちで!」
「いいのか?」
「うん、お母さん夜勤だから、大丈夫」
「いや―…大丈夫って。…逆に不安つーか、危ないつーか」
「え?」
「なんでもない、帰ろうぜ」
「うん!」


二人で宿題をやる…それだけだったはず。


……が。


「お前、先にシャワー浴びてこい」
「う、うん…でも…阿部くんも、一緒に」
「…っ、いいから、さっさと入ってこいっ!!」
「は、はいっ!」

深い意味が全くないだろう天然発言に大声で返せば、三橋はビビりながら走り去ってしまう。

「ったく。うぜぇーな、雨」

借りたタオルで髪を拭きつつ阿部は窓から雨雲を睨めつける。
校門を出たときは晴れていたのに、数分もしない内に雨が降ってきて。
二人して猛ダッシュで自転車を漕ぎ帰って来たのだ。
そんなに濡れなかったはずだが、三橋は大事な投手だ。今、体調を崩すわけにはいかない。
あ、ちゃんと温まってこいって念を押すの忘れた。
やっぱ言っとこう、と風呂場へ向かう途中――案の定三橋と出くわす。

「――お前なぁ…ちゃんと温まったか?カラスの行水じゃねーんだから」
「あ、温まったよ!」
「…髪、ポタポタ落ちてるぞ。ったく、ちゃんと拭けよ」
「うぅぉっ」
「大人しく拭かれろ」

濡れてしっとりとしていた三橋の髪がふわふわになってくる。
ついでに耳やおでこを拭くと、瞳を閉じた無防備な三橋のドアップ。
――正確には三橋のぷっくりとした薄く開いた唇を凝視してしまって。

「あ、あべく…?」
「な、なんでもねー」

誤魔化すように前髪をかき上げ、おでこにキスをする。
驚いた三橋が奇声を出すが、自分も表には出さないが内心、舞い上がってるらしいのでスルーだ。


――風呂上がりの三橋って、色んな意味でヤベー。


無意識に三橋の肩に置かれた己の両手を離し、タオルを三橋に返す。
素早い阿部の行動を不思議そうに見つめる三橋に、湯冷めすんなよと今度こそ念を押しリビングへと送り出す。
スキップするように上機嫌に去っていく三橋の背を見送り、阿部も歩き出す。


色々ヤバくなった自分の心と身体を落ち着けるために――。





いつもの放課後…だったはず。

二人で宿題をやる…それだけだったはず。

この日が二人にとって「初めて」記念日になるとは思わずに―…。



雨音が支配する空間で何かが――動き出す。

To be continue …
アベミハ初めて記念の連載、全部で5回の予定です。
甘くてふわっ~とした⑱要素ありなアベミハになるハズ…。
砂糖たっぷりなお話しになりそうです、胸ヤケ注意です(笑)

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