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VD企画 ハル*ミハ「本命チョコ以外、お断り!」

今まで2月14日の某・イベントにおいて楽しかった思い出は一切ない。
野球部のエースのためか、その容姿のせいか榛名は目立った…悪い意味でも。
そんな榛名を女子がほっとく訳もなく、毎年たくさんのチョコを受け取るはめになる――本人の意思を無視して。
練習前後に早く受け取れとばかりに四方を取り囲まれ、あげく机やロッカーに無理やりチョコを押し込まれ、散々な目に遭ってきた。
むしろこの日を憎んでいるといってもいい、こんなイベントごと無くなってくれとすら思う。
この日だけは女と会わないと決めた、後々面倒なことになるのは目に見えているから。
しかしその決まりを破り、今日・2月14日に榛名元希はある人と放課後、会う約束をした。

「廉、こっち」
「は、榛名さん!」


――片思い中の三橋廉に会う、そのために。


「本命チョコ以外、お断り!」


「榛名さん」
「ん、なに」
「ポ、ポ…」
「ああ、全部食っていいよ」
「おぉ~…榛名さん、いい人っ」
「はいはい、いいから食っちゃえよ」

榛名が(三橋のために)注文したポテトを口いっぱいに詰め食べる姿に『ハムスター』を重ねてしまう。
なんか動きが小動物みたいなんだよな…素直つーか、無邪気つーか…。
他の野郎がやったら「キモ」で秒殺だが、三橋が相手ではとにかく癒される。
出来ればずっと三橋を見ていたいとさえ思う。

――本当に「恋」の威力ってたいしたもんだ。

「榛名さんは、もう、食べたんですか?」
「ああ、あとナゲットぐらい……廉、アレ、買わなくていいの?」
「ん…?」
「アップルパイ。前食いたいって言ってたじゃん」
「あっ!!」

やっと思い出したのか慌てた様子で財布片手に立ち上がる。
立った拍子にカバンの中身がボトボトと床へ落ちるのを手で制して会計へ行かせる。
『ごめんなさい、早く戻ってきます』と謝る三橋を見送ってからしゃがみ込み拾う。
壊れたものはなかったようだ、派手な落下音だった割に内容はたいしたことない。

「これ…」

手にした物の中身はラッピングですぐわかった、今日という日を考えても明確だ。
先ほど片づけたカバンの中には入ってなかった、つまりこの一個を――。

――誰かから三橋が貰ったということだ。

「ははっ…別に付き合ってる訳じゃねーし…そりゃ貰うわな」

あいつ食いもん好きだし、大食漢だし、特に甘いものに目がねーし。
来るもの拒まずだろう、暗い中学時代を送ったあいつにとって人から寄せられる好意はひどく嬉しいものに違いない。
俺が『他の奴から貰うな』『俺だけにしろ』など言えるはずもないことはよーーく分かってる。

――分かってるけど。

「榛名さん、どうかしたんですか?」
「…なんでもねー」
「ぅう?」

気分わりーもんは、わりーんだよっ!!

「は、榛名さん」
「…なに」
「こ、これ、ひとくち、食べます?」
「いや、いいよ。お前が買って来たんだから、お前が食べな」
「…そう、です、か」

うわ…廉が落ち込んでる、いつもは何も聞かずに食うくせに、どうしたんだ。
てか、普通は喜ぶとこだろ、全部自分で食えるんだからさぁ。
…聞いてしまったほうが楽だろうか、軽い調子で『廉、そのチョコ誰から貰ったんだ』とか。
『さっきカバン片づけてた時に見つけちゃった、可愛い子だった?』とか。
廉から話してくるとは思えないもんな、貰ったチョコを自慢するような奴じゃないし。
…されたらされたで、それはまたムカつくけど。
はっきりしない俺の気持ちが伝わったのか、豪快に食ってた廉の手がすっかり止まってしまって。
――仕方ない、正直に聞くしかないか。
ぐっと拳を握り覚悟を決め、俯きぎみの三橋に声を掛ける。

「あのさ、廉」
「…は、い」
「そ、そのチョコ、貰ったんだよ…な?」
「え…チョ…っっ!!!み、み、見たんですか!?」
「だってさっきカバン、落としただろ?」
「あ、あ、あ…うぅっ」
「…って、おい、何も泣くこと…」

ねーだろ、と周囲の視線を気にしつつ、三橋の頬を強引に拭う。
拭っても溢れる涙に訳も分からない罪悪感が胸を掠める。
確かに勝手に見てしまったが、泣くほどショックだったのか!?俺が悪者?
廉の手にはいつのまにか隠すように例のチョコが握られていて、その大事に扱っている様子に更にダメージをくらう。

「は、は、はる、な…さん」
「おう」
「お、おれのこと、ききらい、に…なった?」
「は?」
「だ、だって…見たんでしょう?」
「なにを」
「チョコ。ついた…メッセージ」
「…見てねーよ」
「ううう、うそっ」
「マジで、見てねー。…そんなに」

――マズイことでも書いてたのか?

「え、あ、え…その」
「俺が嫌いになるってどういう意味?」
「そ、れは」
「廉、ちゃんとこっち見ろ」
「うぅ…は、るな、さん」

両手で頬を包むような形で固定すると、やっと廉と目が合った。
視線は相変わらずキョロキョロしているけど、もう一度名を呼びこちらを向かせる。

「ちゃんと教えて」
「そ、その…このチョコは………のなんですっ!!」
「……へ」
「これ榛名さんに、おおおおれ、から」
「…俺に、…廉が」
「用意、したんですけど、榛名さんバレンタイン嫌いって、前…」
「ああ、んなこと言ったけ」
「でも、俺、どうしても渡したくて」
「俺に?」
「は、はいっ」
「なんで、か聞いていい?」
「あ…そ、それは…」

口ごもった廉は頬を真っ赤に染め、潤んだ瞳で何度も瞬きを繰り返す。
え。もしかして、廉の奴、俺に脈あり!?わーわー…ま、マジ!?
脳内でのもう一人の俺が騒ぐ中、廉の唇が動くのを今か今かと待ちわびると――。


お世話になったお礼の…友チョコなんですっ!!


「はっっっ!?」


――…榛名元希、今年のバレンタインデーの収穫は好きな子から貰った『友チョコ』一個とお世話になったお礼メッセージで終わった。


END?
オチが陳腐ですいません。しかもコレハル*ミハかよ?って感じで。
初書きだったので長くなるし、ハル*ミハって予測不可能ですね(ぇ)
あまりに榛名さんが哀れ(…)だったので、救済としておまけ書きました、よろしかったら。





「…っぷ」
「は、るなさん?」
「いやぁ、去年の今日のこと思い出しちまって」
「去年?……あっ!」
「あん時、すげーショックだったんだぜ。好きなやつから『友チョコ』です!!とか言われて」
「あ、あれは。………だったから」
「んー」
「榛名さん、バレンタイン嫌いだから。友チョコって言ったら貰ってくれるかなーって」
「え、じゃ、お前」
「…本命、チョコだったんです。俺、去年も今年も榛名さんにしかあげてない」
「………」
「お、怒ってます?」
「…怒った」
「あうぅ」
「な、廉。許してやるから、さ」

――お前からキスして、好きって言ってよ。

「…もう一回するか?」
「む、ムリです!…は、る…んっ…ぁ」

榛名元希、一年遅れでやっと好きな子から『二個』本命チョコを貰いました――。

END
榛名さんよかったね、でも一年後の二人はあっちの関係ありで付き合ってるんですけど(笑)
次は本命登場・アベ*ミハです。

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