FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

捧げもの ハ*ルミハ 「春よ、来い。」

君に見せたくて、俺と一緒に見て欲しくて。



♪~♪~♪



「あ…」

ある人だけに設定した着うたが響き慌ててカバンを漁れば、「新着メール一件」の表示。
折りたたみの携帯を開きメールの受信箱を開くと。

「部活終わったら ××公園まで 来い」

普段と違ってあまりの素早い身支度に野球部の皆が驚く中。
西浦高校野球部エース・三橋廉は足早に校門を駆け抜けるのだった―…。



よ、来い。」



「――はぁ…っ……あれ?」

おかしい。そう思った。
いつも待ち合わせで利用するこの公園。2人の指定席になった入口近くのベンチ。
メールをもらった時点で彼はすでにそこにいるんだと思ってた。
空席の二人掛けのベンチをぼーと見つめ、歩み寄る三橋の足元は覚束ない。
原因は部活後に全力疾走した…だけではなく。

はるな…さん」


――大好きなあの人がいないから。


ぐるっと体ごと周囲を見渡しても目的の人はもちろん人影が全くない。
額から滲んだ汗が急に冷たく感じる。ベタベタするシャツが鬱陶しい。
カバンからタオルを引っ張り出して汗を拭いても、不安に満ちてく心は止められない。
携帯を確認しても着信も新着メールもない。
時間的にはそんなに経ってないのに、もう何時間もここにいるように感じる。

――ずっと1人で。

「時間は…決めてないし。すぐ、来るよね」

そうだ。
あの人はよく遅れて来るじゃないか。
廉、待たせたな。って気軽に「ごめん」とは言えないあの人は苦笑いを浮かべながら。
強引に俺の手を握って、人影に隠れてキスを。
想いを伝えるキスをしてくれる、きっと今日も。

「今日も…キスしてくれますよね?はるなさん」

泣き虫の俺はぐちゃぐちゃになった感情のまま涙をこぼす。
あの人が来たら真っ赤な目を見て、きっとこう言う。



「『ウサギ目して、どうしたの?』」


「…っ…は、るな…さ…ん?」



後ろから榛名さんに抱きしめられた俺は、振り向こうとすると抱く腕の力が増す。
何度も繰り返して、諦めた俺は首に回った腕を両手で握る。
色んな気持ちをこめて。

「―…早すぎ」
「う?」
「廉、お前早すぎなんだよ。ダッシュして来たっしょ?」
「だ、だって」
「なんで今日に限って早いの。いつもはまだ着替えてる時間じゃん」
「そ、それは」
「はいはい。一秒でも早く俺に会いたかったんだよな」
「うぅ…」
「あーあーもう泣くな。からかって悪かった。俺だってすげぇうれし…」
「…え?」
「あ……その、なんだ。だ、誰だって嬉しいだろ!俺に会うために普段トロい奴が走ってきてくれたらさっ」

なんか文句あるか、と逆ギレぽく耳元で言う年上の恋人がなぜか可愛く感じて。
俺は泣き顔のままくすくす笑ってしまった。
その笑い声にムッときた榛名さんに強引な体勢のままキスを仕掛けられたのは言うまでもない。


不器用で照れ屋な榛名さんらしい――気持ちが伝わるキスを。





「せっかく早く来て廉が来るの待ってたのに…やっぱ飲みもんは後にすべきだったぜ」
「―…気づかなかった、です」
「そりゃそーだ。お前すげぇ勢いで横を走ってくんだもん。声掛けたのに無視されたし」
「す、すみませ…」
「お前あんなに早く走れるのな、びっくりした」
「だ、だって」
「部活後でもそんだけ体力があるってことだろ、イイことじゃん」
「……そう、ですね」

きっと待ち人が榛名さん以外だったら、全力疾走なんて出来ないだろう。
漠然とながらそう思う、野球とは別の次元で。

榛名さんは俺にとって大切で『特別』な人だから。

「廉、こっちだ」
「…え」
「目を閉じて、まっすぐ歩くんだ」
「急に、なんで」
「いいから。怖いなら俺が引っ張ってやるから」
「は、はい…絶対、手離さないで下さいね」
「ああ。そのまま、ゆっくり。遠くないから、今半分ぐらい来た。目は開けるなよ、そのまま真っ直ぐ」
「は、はるな…さ」
「大丈夫、もうすぐだ」
「ま、まだ…ですか?」
「もう5歩だ。1、2、3、4、5、…到着。目、開けていいぜ」


ゆっくり瞼を開け、周囲の視界に馴染んだ先には。


「――…さく、ら…?」


「そう。まだ一枝しか咲いてないけど、正真正銘・桜だ」
「早咲き、ですか」
「品種のことはよく分かんないけど、毎年ここの桜は普通のより早いのは確かだな」
「毎年…見に来るんですか」
「ああ。小学性の頃からだから、もう10年近くになるか」
「家族とか、友達と一緒に?」
「いや…俺1人だ」
「…え」

「廉に見せたかったんだ。…違うな。俺が、」


廉と一緒にこの桜を見たかったんだ。


「1人でいいって思ってた。本咲きまでこの桜を独り占めして、それで満足だった。
一昨年の夏に廉のこと好きになって、ずっと頭からお前のことが離れなくて、苦しくて。
冬になっても何も出来なくて、でも廉に振り向いて欲しくて。
面と向かって気持ちを伝えられない自分が歯がゆくて。――…んで、去年ここに来て思ったんだ」


俺の隣には、廉が居て欲しい――…一緒にこの桜を見て欲しい。


「その翌日、俺は廉に告白したって訳だ。つまり」
「わっ…」
「やっと俺の願いが叶ったつーわけ、わかったか?」
「は、はい」
「よし。じゃ、さっさと帰ろうぜ」
「え…もう、ですか?」
「だって寒いだろ。ちょうど金曜日だし、俺んち泊まってけよ」
「は、はい……じゃなくて、せっかく来たのに」
「いいから、帰るぞ」

でも、と立ち尽くす俺を榛名さんがやっぱり強引に引っ張っていく。
目を閉じていたため分からなかったが、この桜は公園の隅でひっそりと佇んでいた。
この儚げな桜を榛名さん1人で何を想い見上げていたんだろう。
きっと俺には計り知れない複雑な感情を抱えていたはずだ。
そんな思い出の地で俺をことを想ってくれて、一緒に連れてきてくれた榛名さん。
――…自惚れてもいいのかな、俺も榛名さんにとって。

「榛名さん」
「んー」
「また一緒に来ましょうね」
「…へ」
「早咲きだけじゃなくて、あの桜が本咲きして、散って、葉桜になって…散って、冬を越して」
「………」
「来年の春、ううん、これからずっと、春夏秋冬全部、この桜を一緒に見に来ましょう」
「…廉」
「俺も、俺の隣に榛名さんが居て欲しいって思ってるから」
「―…約束、だな」
「はい」

手を握って俺は歩き出す、すぐ隣にいる榛名さんと一緒に。
儚くも美しく魅了するであろう、薄紅色の花びらを思い浮かべながら。
握った手に力を込めた―…この想いが愛しい人に届くようにと。



願わくば、榛名さんにとっても俺が「特別」でありますように――。



END
「夏空うさぎ」きろぴんさんに相互リンクのお礼として(押し付けともいう)捧げます!
リクエスト頂いたのが「ハ*ルミハで春っぽいおはなし」という素敵なものだったので、頑張りました。
…が、いかがだったでしょうか。煮るなり焼くなりしてやって下さい(きろぴんさんのみ)
今回の榛名さん、よく喋ります。結構すごいこと話してますが、無自覚です。
あとから火を噴いたように顔を真っ赤にさせたらいいと思います。
きろぴんさん。こんな春田ですが、これからも仲良くして下さいませ<(_ _)>
素敵な絵と漫画の更新いつも楽しく拝見させて頂いてます~もう大好きです!!(言い逃げ)

スポンサーサイト

ただいま、です。

数日ぶりにネットができました。

実は引っ越し作業があってネット断ち(ネットごと移動だったので)してました(T_T)
WD企画もその前に終わらすつまりが・・・ラストのア*ベミハ頑張ります!
留守の間もたくさんの方に遊びに来てもらえて嬉しかったです、拍手もありがとございます❤

新しい部屋になって、片付けをしてますが「終わらない明日」状態です(笑)
4、5月中に(オフ)友達を呼ぶのでBLというものを上手に隠すのが意外にムズイ。
家族は知っててもスルーなんで(兄なんて平気で萌語りを聞いてくれる)有難いっす。
ま・・・その友達も私がそーいうの好きなの知ってるからいいんですけど(ぇ)

今月末から働き出します、某携帯会社です。
ド・素人なので緊張しますが頑張るぞ~!土日は休日と思うな!(うっす!)お客様は神様だ!(おっす)
そこに働きだす経緯もなかなか妙な「縁」でして、なんだかな~と思ったりしますが。
ま、それはおいといて。

のんびり・まったりと更新していきたいと思います。次はアベミハでGO!!甘いよ~❤

WD企画 準*ミハ 「Chocolate」

君が好きだと叫びたい。歌詞じゃねーけど、そんな気分。


Chocolate


馴染みの喫茶店で。


「本当にいいんですか?」
「いいよ、全部食べて」
「でもこんなに沢山」
「俺、甘いもん苦手だから。三橋が食べてくれなきゃ、ごみ箱行きか…」
「た、たた食べます、食べますから、捨てないで!!」
「じゃ、ゆっくりお召し上がれ」
「はいっ」

青ざめた顔から一転、即座にパクパクと大皿に乗ったケーキに手を出す。
こんな時だけなぜか頑固なのだ、素直に食べればいいものを。
遠慮なんてしなくていい、もっと素直に俺に甘えることだけ覚えればいいんだ。
お前が喜ぶ姿が何より俺を幸せにしてくれるのだから。
そう、だからこそ。

「三橋、これもやる」
「ふへ?」
「チョコレート」
「え…なんで」
「さぁ…なんででしょう」
「うぅ」
「わかんない?」
「はい」
「なら来年の今日、答えを教えてやるよ」
「来年…ですか」
「そう、来年」

それまでに答えを考えといて。

「はい!俺、頑張って考えますね。楽しみに待ってますから」
「…ああ」

来年の今日、二人の距離が進展していることを祈って――。
高瀬準太はアメリカンコーヒーをぐいっと飲み干すのだった。


だからこそ、三橋も俺と一緒にいる時を「幸せ」と感じてくれていますように…。


END

WD企画のおまけは準ミハでした。
投票で惜しくも4位ということで短めに書きました。
VD企画のインタビューにあったように「尽くす男」でございます(笑)
今度こそアベミハでラスト。

WD企画 イ*ズミハ 「Candy」

君を手に入れた僕は、今日もまた貪欲に君を抱く。


Candy


週明け、朝錬へ向かう道のりで。


「三橋、大丈夫か?」
「…う、うん」
「昨日、無理させちまったから」
「ち、ちがう!いいずみくんのせいじゃな…」
「でも」
「―…俺が、俺も望んだことだから」
「…!!」
「それに、いっぱいくっつけて…嬉しかったから」
「―…っ」

無邪気に白い歯を見せて笑わないでくれ。

身体への負担は相当なものだろう、最初はほんの少し触れ合う程度のつもりだった。
すぐにお互いから伝わる熱だけでは物足りなくなって、気づいたら三橋を押し倒してた。
その後のことは酷く曖昧だ、熱に侵されたように抱いて、抱いて、抱いた。
抱き合ったままぐっすり寝て、目覚ましの音で身支度して三橋の家を先ほど出たのだ。
三橋、お前は俺を怒鳴ってもいいはずだ。
「今日満足に投げられないのは、お前のせいだ」と。
なのにお前が優しく、全て包み込むように笑うから。俺は。

「どうしたの?」
「…あんまり俺を甘やかさないでくれ」
「え」
「図に乗るぞ」
「泉くん?」
「三橋が許せば許すだけ、俺は…」

見境なくお前を抱くぞ。

立ち止まり、向き合ったまま三橋を壁へ押しつける。
きょとんと瞳を丸めた三橋はポケットに手を押し込み、ようやくお目当ての物を取り出す。
それは。

昨日――ホワイトデーのお返しに泉があげたサクマ*ドロップ。

掌に幾つか出し、一つ摘まむとそのまま三橋の口へ。
数秒もしない内に匂いでそれが何味だったのか分かった瞬間、ぐいっと首を引っ張られ。

気がつくとキスをしていた――三橋との始まりでもあった薄荷キャンディーのキス。

「これが、俺からの、返事…です!」
「…三橋」
「泉くん、大好き。俺、泉くんになら…俺の全て知ってもらいたい」
「俺も、三橋のこと全部知りたい。好き、好きだ。だから…」

全部俺のものにしたい。

「ん…っぁ」
「三橋、悪い…もう少しだけ、このままでいさせて」

三橋から俺の口へと届けられた薄荷キャンディーを媒介にするように想いを繋ぐ。
互いにキツく抱き合いながら、高まる熱に気づかないフリしてキスを繰り返す。
数秒後に身体を離し、それでも手を繋ぎ幸せそうに微笑む二人を。


幸多き道へと、生まれたての朝日が眩しく照らしていた。

END

珍しくしっとり系のお話しになりました。こーいうのも好きです、一応続編です。
ウチのイ*ズミハは繋がってます、薄荷キャンディで告白し合って付き合いだして、bonbonであっちち(古)
泉くんを男前に・・・!と思ってますが難しい。彼は最高にイイ男ですよ、マジで(私はベタ惚れ状態)
次はアベミハです。

WD企画 ハ*ルミハ 「Cookie」

今はまだ、この陽だまりの様な関係で。


「Cookie」


電車待ちの駅のベンチにて。


「―…おい、廉、聞いてるか?」
「…あぅ。ごめんなさい」
「さっきから意識飛んでない、大丈夫か?」
「は、はい。あの、い、いいる…」
「イルカのショーか。すげー迫力だったな」
「で、す、す…くか、かか…」
「すごく可愛かった、と」

伝わったことが嬉しかったのか、廉はブンブン首を振っている。
そんな何気ない仕草が酷く胸にクリーンヒット。
廉にベタ惚れなことを改めて実感してしまう瞬間だ。
部活のない休日に県外の水族館まで誘ったのは、純粋に廉と楽しみたかったのと他に―…。

渡したいものがあったからだ。

「廉」
「はい………え」
「やる」
「え………俺に?」
「廉だけに」
「なんで…」
「―…『友チョコ』のお返し」
「あっ!…もしかして、ホワイトデーの」
「そーいうこと」

いかにもなラッピングをされたソレを見つめる廉を冷静ぶって窺う。
先月の今日――つまりバレンタインデーに廉からチョコレートを貰った。
真っ赤に頬を染め、恥ずかしそうに話す仕草に「まさか廉も!?」と期待した榛名を。
『友チョコ』という言葉がバッサリと切り裂いた。笑えないオチだった。
――今までで一番ありえないバレンタインだったといってもいい。
それでもせっかく廉がくれたバレンタインの(友)チョコだ、即日開封・完食した。
悩んだお返しも廉が『友チョコ』と思ってるのを考慮して安めにしたのだ。
あまりに気合いを入れると…どうだろうーと自分で思ったので。

「開けてもいいですか?」
「ああ」
「わっ…缶クッキーだぁ!」
「廉も好きか?」
「はい、小さい頃からずっと大好きです!…榛名さんも?」
「俺も、よく食う。このメーカーが一番好き」
「お、俺も!ここの一番好きです!」
「…そっか、ならよかった」
「ありがとうございます、榛名さんっ!」

そのハイテンションのまま「榛名さんが一番大好き」とか言ってくれないかな。
早口言葉とか「そのクッキー好きか」「好きです」10回繰り返して、「じゃ俺は」「好きです」みたいな。
―…わぁ…自分で言ってて虚しくなった。
大体俺、そんなキャラじゃねーし。廉だって流石にそこまで抜けてないだろう。
横目で廉を見遣れば、ハムスターみたくクッキーを貪り食ってる。
隙間なく詰められてた缶クッキーの空席が目立ち始めたころ、廉と視線が合った。

「どうした、廉」
「はいコレ」
「……へ」
「チョコチップクッキー、榛名さん好きって、前」
「……あ」

先週あたり放課後に廉と喫茶店に入って、コーヒーに付いてきたクッキー。
確かにそんなこと言った、言ったけど…何気なく呟いたソレを…。

覚えててくれたのか。

「榛名さん?」

いや、きっと。

「…何でもない。サンキュ」
「他にも何か…」
「いいよ、廉が食べな」
「でも」
「―…じゃ、俺が食わしてやるよ」
「え……んぐっ……は、はる、さ」
「俺があげたやつなんだから、いいしょ。ほら、口開けて」
「ま、ままだ、口の中入って……ん」
「いいから食え」

駅構内の公衆がチラチラ見守る中、榛名と三橋の攻防は目的の電車到着まで続いた。
やっと乗れた電車の中、眠る榛名の耳元で三橋が囁いたことを深い眠りにいた榛名は知らない。


榛名さんが、一番好きです


――きっと、そんな風に優しいお前だからこそ。俺はお前を好きになったんだ。


END

なんとか間に合いました、1000HIT記念かつWD企画。
皆さんの投票で激しい3位争いを勝ち取ったハ*ルミハでございます!
両片思いって好きです、すごーく焦れったいですけど(笑)
うちのハルミハはまだまだ青くて清い?感じでいきたいと思います。
次は・・・イズミハかな。

あわわっ・・・

やっと顔が出せました、どうも春田です。
春から就職+新築への引っ越し・・・と色々忙しくなってきました。
3月入ったばかりだし、と余裕ぶっこいてたら、周囲の波に置いてかれました(泣)
荷造り作業って本当にメンドクサイ!

最近の更新は水谷+篠岡プチSSでした。
西浦ズに溶け込む篠岡好きなんです、でもカップリングではない。友愛みたいな。
水谷って篠岡に対してすごーく優しいじゃないですか、こう恋愛相談とかしてそうな感じにみえて。
ミズサカもそろそろ書きたいんですが、もう少しあとで。

次の更新は素敵なリクエストを頂いたので、ハルミハ。を予定してます。
1000HIT記念「WD企画」(相手がVDと一緒なので)も引っ越し前にドンドン書いていこう・・・と思ってます。
アベミハ連載も早く次のステップに進みたいところです。・・・頑張ります(おー)

私生活が忙しくて辛い時に皆さんが下さった拍手、とーーーても嬉しかったです!感謝❤
皆さんのおかげで私、呼吸ができるよ!!(本気
いつも本当にありがとうございます!!この気持ちは作品で恩返し、させて頂きますね~!

では続きに拍手のお返事させて頂きました。メッセージ、ありがとうございます!

続きを読む »

SWEET❤同盟

3月3日・・・といえば。


「SWEET❤同盟」


「し・のぉ~かぁ!」
「わっ、びっくりした・・・もう水谷くん!」
「ごめん、ごめん。そんなに驚くと思わなかったからさ」
「いいよ、大丈夫だよ。で、どうしたの」
「うん、あのさ」

週一回のミーティングのみで部活が終わる今日。
先ほど監督がお疲れ様、と部室を出ていき賑やかな雰囲気の中、雑務をこなす篠岡の背に水谷が声を掛ける。
クラスメイトでもあるし、そんな二人の姿はよくある、日常のひとコマだ。
他のメンバーも気にすることなく、帰る準備を続けていた。

「これ、あげる」
「え・・・あ、そっかぁ、今日って」
「うん。お雛様だからさ」
「ありがとう、あられ大好きなんだ!」
「よかった――コレ、一応いつもお世話になってるお礼」
「そんな私、マネージャーだから・・・」
「ち、ちが・・・ほ、ほら、それとは別にしのーかには・・・相談乗って、もらってる・・・し」
「――あ」

ようやく合点がいった篠岡に照れたように頬を染め、あはは、と水谷が乾いた笑いをもらす。
てのひらの貰った雛あられをじーと眺め、にっこりわらってもう一度ありがとうを繰り返す。
そしてぱっと立ち上がってカバンを漁る篠岡を周囲がギョと驚く――中。

「し、篠岡?」
「あ、あった!――これ、あげる」
「・・・へ」
「雛あられのお返しに」

篠岡と水谷が仲良くなるキッカケになったケーキ屋のバイキング無料券だ。
しかも。

「ペアだから、――くん誘って行きなよ」
「~~~!!」

篠岡が小声で耳元へ囁くと、水谷が声にならないのかパクパク口を開閉する。
ほら、と水谷の背中を押し、篠岡は素早くカバンを整理して教室を後にしてしまう。
まって、篠岡、と廊下に出て縋る水谷にまた明日ね、と笑いひらひら手を振る。

といっても水谷の視界にはもう自分は映っていないんだろうけど。


だって。


水谷の想い人が隠れるようにしてドアに凭れていたのだから。
お互い顔を真っ赤にさせ、向き合う二人を確認して、今度こそ篠岡は歩き出す。


夜に届くだろう水谷からの絵文字いっぱいの

読んでるこちらまで幸せになれる報告メールが来ることを確信しながら。



栄口、あのさ、これ・・・一緒に行かない?」



3月3日。女の子だけでなく、男の子にとっても記念日!・・・なのかも?

END
やっぱ書きたくなったので、突発で書いちゃいました。
篠岡と水谷がメインなのに女友達みたいなノリでございました。
水谷のお相手は・・・あの方しかおりません(最後の「」を反転すると・・・?)
こんな感じで水谷と篠岡、今回は出番が少なかった彼でまた書けたらいいな~。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。