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WD企画 ア*ベミハ 「Cake」

ふわふわ。甘い。それはまるで――のようで。


「Cake」


練習後の放課後、阿部邸にて。


「ぉお…すすす、すごいっっ!!」
「そりゃどーも」
自分で用意しといてなんだが、そんなに喜ばれるとかえって気まずいつーか。
照れるつーか。…気恥かしい気になるぜ。
つーか、こいつ本当にこんなに食えるのか?――いや食って貰わないと俺が困るけど。
西浦野球部・阿部隆也は両手に注がれるあまりの熱視線に心の中でひとつ溜息を吐く。
ま、でも大丈夫か。
なんたって、目の前にいる同級生は――。

「ほ、本当に全部、俺が食っていいの!?」

弱気で泣き虫な我が野球部のエースピッチャーであり、自他認める大の甘党である。
どんなに練習がキツくても、コンビニでメガシュークリーム食ってるようなやつだし。
計10個のケーキが乗った大皿を机に下ろすと、阿部は「待て」状態の三橋廉にようやく「良し」と取り皿とフォークを渡すのだった。


「美味しかった~!」
「……はえーな」

飲み物を淹れなおしに帰ってくると三橋もちょうど完食だったらしい。
食い始めて15分も経ってない、マジでどんな胃袋してんだか。
二人分のコーヒーを抱え、ミルクと砂糖たっぷりなほうを三橋に渡す。
にっこり笑って受け取った三橋につい「やけどすんなよ」と付け加えながら。
ブラックコーヒーを一口飲み、すっかりキレイになった大皿に目を遣る。

三橋から貰った強烈なバレンタインチョコ(湯せんしたままのチョコレートの原液)のお返しに何がいいと聞いてみたら、

「ケーキが(いっぱい)食べたい❤」

無邪気な笑顔で答えられては、用意せざるをえない。
おまけに幻聴まで聞こえたつーより、心の声が聞こえた気がしたので10個用意したのだった。
埼玉では有名のケーキ屋で購入したそれらは、お小遣い制にしてみればなかなか痛い出費だったが、そんなこと些細なことだと感じる。

この三橋の笑顔を見れたならば。
もうなんだっていい。


ま、お駄賃はもらうけどな――。


「三橋」
「…?――んっ……ぁ」
「み・は・し」
「あ、あべく…ん」
「今日、泊まってけよ」
「え……ぁ、……うん」
「よーし、じゃ…さっそく」
「ぇ…え。――ま、まって、阿部くんっ」

――宿題やろうぜ。

「え」
「ほら、早く。まず古文やろうぜ」
「う、うん。待って、今準備する、よ」
「おお、机片付けるわ」

キスの後勘違いしたか一目瞭然な赤面状の三橋に、笑みを深めると阿部はそっと背後から近づき。
耳元で吐息混じりに囁いた。


「さっさと終わらせよーぜ、三橋」


夜は、覚悟しろよ?


END
やっと終わりました!08年ホワイトデー企画フィナーレ。お待たせしました。
半年振り、リハビリ作です。やっぱアベミハから書いてみました。
阿倍君はやっぱ阿部くんだね(笑)
この企画色んなカップルが書けてとっても楽しかったです。また投票計画したいな。

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WD企画 準*ミハ 「Chocolate」

君が好きだと叫びたい。歌詞じゃねーけど、そんな気分。


Chocolate


馴染みの喫茶店で。


「本当にいいんですか?」
「いいよ、全部食べて」
「でもこんなに沢山」
「俺、甘いもん苦手だから。三橋が食べてくれなきゃ、ごみ箱行きか…」
「た、たた食べます、食べますから、捨てないで!!」
「じゃ、ゆっくりお召し上がれ」
「はいっ」

青ざめた顔から一転、即座にパクパクと大皿に乗ったケーキに手を出す。
こんな時だけなぜか頑固なのだ、素直に食べればいいものを。
遠慮なんてしなくていい、もっと素直に俺に甘えることだけ覚えればいいんだ。
お前が喜ぶ姿が何より俺を幸せにしてくれるのだから。
そう、だからこそ。

「三橋、これもやる」
「ふへ?」
「チョコレート」
「え…なんで」
「さぁ…なんででしょう」
「うぅ」
「わかんない?」
「はい」
「なら来年の今日、答えを教えてやるよ」
「来年…ですか」
「そう、来年」

それまでに答えを考えといて。

「はい!俺、頑張って考えますね。楽しみに待ってますから」
「…ああ」

来年の今日、二人の距離が進展していることを祈って――。
高瀬準太はアメリカンコーヒーをぐいっと飲み干すのだった。


だからこそ、三橋も俺と一緒にいる時を「幸せ」と感じてくれていますように…。


END

WD企画のおまけは準ミハでした。
投票で惜しくも4位ということで短めに書きました。
VD企画のインタビューにあったように「尽くす男」でございます(笑)
今度こそアベミハでラスト。

WD企画 イ*ズミハ 「Candy」

君を手に入れた僕は、今日もまた貪欲に君を抱く。


Candy


週明け、朝錬へ向かう道のりで。


「三橋、大丈夫か?」
「…う、うん」
「昨日、無理させちまったから」
「ち、ちがう!いいずみくんのせいじゃな…」
「でも」
「―…俺が、俺も望んだことだから」
「…!!」
「それに、いっぱいくっつけて…嬉しかったから」
「―…っ」

無邪気に白い歯を見せて笑わないでくれ。

身体への負担は相当なものだろう、最初はほんの少し触れ合う程度のつもりだった。
すぐにお互いから伝わる熱だけでは物足りなくなって、気づいたら三橋を押し倒してた。
その後のことは酷く曖昧だ、熱に侵されたように抱いて、抱いて、抱いた。
抱き合ったままぐっすり寝て、目覚ましの音で身支度して三橋の家を先ほど出たのだ。
三橋、お前は俺を怒鳴ってもいいはずだ。
「今日満足に投げられないのは、お前のせいだ」と。
なのにお前が優しく、全て包み込むように笑うから。俺は。

「どうしたの?」
「…あんまり俺を甘やかさないでくれ」
「え」
「図に乗るぞ」
「泉くん?」
「三橋が許せば許すだけ、俺は…」

見境なくお前を抱くぞ。

立ち止まり、向き合ったまま三橋を壁へ押しつける。
きょとんと瞳を丸めた三橋はポケットに手を押し込み、ようやくお目当ての物を取り出す。
それは。

昨日――ホワイトデーのお返しに泉があげたサクマ*ドロップ。

掌に幾つか出し、一つ摘まむとそのまま三橋の口へ。
数秒もしない内に匂いでそれが何味だったのか分かった瞬間、ぐいっと首を引っ張られ。

気がつくとキスをしていた――三橋との始まりでもあった薄荷キャンディーのキス。

「これが、俺からの、返事…です!」
「…三橋」
「泉くん、大好き。俺、泉くんになら…俺の全て知ってもらいたい」
「俺も、三橋のこと全部知りたい。好き、好きだ。だから…」

全部俺のものにしたい。

「ん…っぁ」
「三橋、悪い…もう少しだけ、このままでいさせて」

三橋から俺の口へと届けられた薄荷キャンディーを媒介にするように想いを繋ぐ。
互いにキツく抱き合いながら、高まる熱に気づかないフリしてキスを繰り返す。
数秒後に身体を離し、それでも手を繋ぎ幸せそうに微笑む二人を。


幸多き道へと、生まれたての朝日が眩しく照らしていた。

END

珍しくしっとり系のお話しになりました。こーいうのも好きです、一応続編です。
ウチのイ*ズミハは繋がってます、薄荷キャンディで告白し合って付き合いだして、bonbonであっちち(古)
泉くんを男前に・・・!と思ってますが難しい。彼は最高にイイ男ですよ、マジで(私はベタ惚れ状態)
次はアベミハです。

WD企画 ハ*ルミハ 「Cookie」

今はまだ、この陽だまりの様な関係で。


「Cookie」


電車待ちの駅のベンチにて。


「―…おい、廉、聞いてるか?」
「…あぅ。ごめんなさい」
「さっきから意識飛んでない、大丈夫か?」
「は、はい。あの、い、いいる…」
「イルカのショーか。すげー迫力だったな」
「で、す、す…くか、かか…」
「すごく可愛かった、と」

伝わったことが嬉しかったのか、廉はブンブン首を振っている。
そんな何気ない仕草が酷く胸にクリーンヒット。
廉にベタ惚れなことを改めて実感してしまう瞬間だ。
部活のない休日に県外の水族館まで誘ったのは、純粋に廉と楽しみたかったのと他に―…。

渡したいものがあったからだ。

「廉」
「はい………え」
「やる」
「え………俺に?」
「廉だけに」
「なんで…」
「―…『友チョコ』のお返し」
「あっ!…もしかして、ホワイトデーの」
「そーいうこと」

いかにもなラッピングをされたソレを見つめる廉を冷静ぶって窺う。
先月の今日――つまりバレンタインデーに廉からチョコレートを貰った。
真っ赤に頬を染め、恥ずかしそうに話す仕草に「まさか廉も!?」と期待した榛名を。
『友チョコ』という言葉がバッサリと切り裂いた。笑えないオチだった。
――今までで一番ありえないバレンタインだったといってもいい。
それでもせっかく廉がくれたバレンタインの(友)チョコだ、即日開封・完食した。
悩んだお返しも廉が『友チョコ』と思ってるのを考慮して安めにしたのだ。
あまりに気合いを入れると…どうだろうーと自分で思ったので。

「開けてもいいですか?」
「ああ」
「わっ…缶クッキーだぁ!」
「廉も好きか?」
「はい、小さい頃からずっと大好きです!…榛名さんも?」
「俺も、よく食う。このメーカーが一番好き」
「お、俺も!ここの一番好きです!」
「…そっか、ならよかった」
「ありがとうございます、榛名さんっ!」

そのハイテンションのまま「榛名さんが一番大好き」とか言ってくれないかな。
早口言葉とか「そのクッキー好きか」「好きです」10回繰り返して、「じゃ俺は」「好きです」みたいな。
―…わぁ…自分で言ってて虚しくなった。
大体俺、そんなキャラじゃねーし。廉だって流石にそこまで抜けてないだろう。
横目で廉を見遣れば、ハムスターみたくクッキーを貪り食ってる。
隙間なく詰められてた缶クッキーの空席が目立ち始めたころ、廉と視線が合った。

「どうした、廉」
「はいコレ」
「……へ」
「チョコチップクッキー、榛名さん好きって、前」
「……あ」

先週あたり放課後に廉と喫茶店に入って、コーヒーに付いてきたクッキー。
確かにそんなこと言った、言ったけど…何気なく呟いたソレを…。

覚えててくれたのか。

「榛名さん?」

いや、きっと。

「…何でもない。サンキュ」
「他にも何か…」
「いいよ、廉が食べな」
「でも」
「―…じゃ、俺が食わしてやるよ」
「え……んぐっ……は、はる、さ」
「俺があげたやつなんだから、いいしょ。ほら、口開けて」
「ま、ままだ、口の中入って……ん」
「いいから食え」

駅構内の公衆がチラチラ見守る中、榛名と三橋の攻防は目的の電車到着まで続いた。
やっと乗れた電車の中、眠る榛名の耳元で三橋が囁いたことを深い眠りにいた榛名は知らない。


榛名さんが、一番好きです


――きっと、そんな風に優しいお前だからこそ。俺はお前を好きになったんだ。


END

なんとか間に合いました、1000HIT記念かつWD企画。
皆さんの投票で激しい3位争いを勝ち取ったハ*ルミハでございます!
両片思いって好きです、すごーく焦れったいですけど(笑)
うちのハルミハはまだまだ青くて清い?感じでいきたいと思います。
次は・・・イズミハかな。

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